よくわからないけど Nexus10 のバッテリーレス化ができた

背景

10年以上前に買った Nexus10 を買ってからずっと使用しています。 用途としてはかなりライトで、音楽再生、youtube閲覧、Web閲覧ぐらいなので、動きさえすれば10年前のタブレットでも十分つかます。 …動けば、ね。

10年もほぼ毎日使用していると流石にバッテリーが持たなくなってきます。 全てのスマートデバイスがそうなのかはわかりませんが、Nexus10の場合はバッテリーがヘタってくるとたとえコンセントから給電していても装置が起動できなくなります。 起動したとしても途中でいきなり電源が落ちます。 それで今から丁度6年前、電池がヘタりすぎてあまりにもすぐに電源が落ちて実用に耐えなくなったので、最悪壊れることを覚悟しながら怪しい改造を施したところ、よくわからないけど無事に延命処置ができて最近まで問題なく使えていたのです。 しかしここ最近、再び電源がすぐに落ちるようになってきて、まぁ画面の輝度を最低にして消費電力を押さえたりしてだましだまし使っていたのですが、とうとう全く起動できなくなりました。 6年前に施した改造の内容は「よくわからない」ので正確な理論はわかりませんが、感覚的なことを書くと、バッテリーで不足してる分の電力をUSBから無理矢理補うというような感じでした。 つまり、本来はバッテリーだけで動けるはずなのにバッテリーがヘタってきて、弱ったバッテリー+怪しい改造による給電 でなんとか動いていたわけですが、最近バッテリーがヘタり尽くして、実質 怪しい改造による給電のみ になっていたのでしょう。 そして怪しい改造による給電だけでは電力が足りずに起動できない、と。

一般的にタブレットの寿命は4,5年らしく、実際4年経ったところで普通には使用できなくなったわけですが、改造して10年使い続けました。 もう買い替えてもバチは当たらないだろうと思うし、正直流石にちょっとスペック不足は感じていたので買い替えても良かったのですが、どうせ捨てるのなら壊れても良いので気が済むまでいじってみようと色々いじってたら、よくわからないけどバッテリーレス化に成功たというのが今回の話です。

おことわり

本題に入る前にちょっと「おことわり」です。 私は電気に関して義務教育レベルの知識しかありません。 下記にバッテリーレス化した方法を書きますが、「壊れてもいいや」のノリでいじっていて、今日の時点では壊れてませんが良からぬ状況になってることは感覚的に想像つきます。 安全性も無視しています。 よって、もし検索とかでこの記事にたどり着いている人が居たとしても、本当に参考レベルに見ていただくのが良いです。

本題

(今回の)改造前の状態

写真を取るのを忘れていたので↑の画像は6年前の改造後に撮った写真ですが、こんな感じになっていました。(実際はもうちょっと取り回ししやすいようにしていた。) AC給電に使うUSBケーブルから5V を分岐させてコンデンサにつないでいます。 コンデンサは↓のようにバッテリーのから基盤に接続している部分のプラス部分とマイナス部分に接続しています。

これで少し前まではなんとか動いていたのですが、先述の通り最近はもう全く起動しなくなったのです。 しかも↑の写真でもよく見るとわかりますが、電池パックが膨らんできています。 6年前の改造が原因かどうかは定かではありませんが(普通に使っていても膨らむので。)、原因は何であれいい状態ではないですね。 今回起動しなくなった原因は十中八九バッテリーの劣化が原因でしょうし、その上こんな状態なので、バッテリーレス化したいと思いました。

試行錯誤

実は以前 Nexus5 をバッテリーレス化したことがあって、そっちはもっとそれなりに理屈を考えて改造したので、それと同じようなことをしても良かったのですが、そのNexus5 のバッテリーレス化も給電が足りるかどうかかなり微妙なところだったので、Nexus5 より明らかに消費電力の多い Nexus10 は同じ改造じゃダメだろうと思ったのと、Nexus5 の改造方法はいくつか電子パーツを買う必要があって(まぁそんなに高くないけど)お金が必要になってしまうことから、今回は別のアプローチを取りました。 …なんて書くとしっかり理屈考えてそうに見えるかもしれませんが、ほとんどいきあたりばったりに試行錯誤してただけですw

バッテリーを包むような形でフラットケーブルが這っていて、そもそもこのケーブルを切断せずにバッテリーを取り外せるのか?と悩みましたが、調べるとバッテリー交換をする様子の動画が見つかって、それが大変参考になりました。 フラットケーブルのコネクタのロック解除方法があるのですね。 それが分かってもフラットケーブルは結構簡単に切れてしまうのでバッテリーの取り外しには神経を使いました。 壊れても良いつもりで改造しているけど、ただの操作ミスで壊れるのは嫌だ。

それで、まぁそのこのあと色々と試行錯誤したのですが結局うまく行かなかったので詳細は省略します。 色々試したけどうまくいかず、一度は諦めていたのです。

バッテリーレス化の方法

なんやかんや色々試行錯誤してるうちによくわからないけどバッテリーレス化に成功しました。 色々試したけど結局最終構成はシンプル。 今になって思えばこの構成は早い段階で思いつきそうなものですがねぇ。 とりあえずまず画像を見せると、こうです。

AC給電のUSBケーブルは前の改造の名残りがあって妙なオレンジケーブルが伸びていますがこれは使っておらず、AC給電の給電のUSBケーブルはごく普通のUSBケーブルでOKです。 そっちは無改造です。 改造したのはバッテリー端子の方。 ここのプラスマイナス端子にUSBの 5V と GND を直結してます。 基本はそれだけ。 それでもほぼ問題なく起動して動きました(Androidの初期設定やアプリインストールにも耐えた)が、ごく稀にいきなり再起動することがあったので、試行錯誤でやった一つである「電源並列化」もしてます。 電源並列化とはまぁ読んで字の如く、上の写真でも見せてますが、2本のUSB給電を並列で接続することです。 1口で十分な電力を引けないのなら2口で引けばいいじゃないか!というノリですね。 実際それなりに効果はあるようで、今のところはこの構成にしてから結構負荷の高そうなことを色々やりましたが突然の再起動は発生していません。 なお、電力は通常のUSBポートよりもバッテリー端子直結の方が沢山引っ張られるようで、バッテリー端子側でしっかり給電すればUSB端子側はそんなに給電しなくても大丈夫っぽいです。 何か、USBポートの方からは引っ張る電流に制限が掛けてあるのかもしれませんね。 (どうりでUSBポート側でいくら電源並列化しても効果がなかったわけだ。)

↑の写真はお試しでやった状態なので、流石にもうちょっとちゃんとはんだ付けとか引っ張られないように固定とかして、いい感じに収めたら改造完了です。

バッテリー端子に接続するケーブルはUSBとオーディオコネクタの間から出しました。ケースのその辺りを削って外に出しました。 ケーブルが結構長いのは自宅のコンセントが遠いから。しかしこのままだとバラけて取り回しが良くないので後でなんかでコードを束ねておきます。 右の方に白いUSBケーブルが1本遊んでますがこれは試行錯誤の名残りなので本当は不要です。 Nexus10 本体周りでいうと6年前の改造と比べてコンデンサが不要になったのでかなりスッキリしました。 バッテリーも無くなったので重量面でも結構軽量化できてます。これ何気に結構嬉しい副次効果です。

ちゃんと起動して使えていますよ!輝度最大で youtube 見ても全然平気です。素晴らしい! 電池残量のグラフは矩形波みたいになってますw

総括

6年前に既に一度改造して延命していたのが遂にダメになったので流石にもうダメだろうなという気分でしたが、そこからまさかのバッテリーレス化成功です。 案外雑な改造でも動くもんなんだなーというのが正直なところです。 もしかしたら中のパーツに負荷かけてて痛むかもしれないけど、もともと諦めていたのでそうなってもまあOKです。 とりあえず今のところは問題なく動いていますし、今後はもうバッテリー劣化による悪影響は原理的に発生しなくなりました。 もうしばらくは使い続けられそうです!