Linkstation mini LS-WSX1.0TL/R1 の HDD を SSD に交換

背景

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11年半ほど前に買った Linkstatiom mini LS-WSX1.0TL/R1 が先日から E16 のエラーコードが出るようになりました。 E16 はハードディスクの故障です。 10年以上使って初めてのエラーなので、よく保ったと思います。

買ってから10年以上経つので、この際新しいNASに買い換えようかと思いましたが、こういう少電力・コンパクトなものは全然売られていないようです。 LS-WSX1.0TL/R1 はHDD交換できる仕様ではありませんが、調べると分解してHDD交換が可能なようなので、自力で交換することにしました。

本題

データのバックアップ

E16 のエラーコードが出ていて時々ファイル読み込みに失敗するものの、まだデータは読み出せる状況なのでまずはデータのバックアップを取ります。 実は数ヶ月前に一度バックアップは取っていましたが、それ以降に更新したデータがあるはずなのでそれらを改めてバックアップ取ります。

find ./ -type f -mtime -180

で過去180日以内に変更のあったファイル一覧が取得できます。

FWの準備

HDDをまるごと交換するのでNASとして保存していたデータはもちろんのこと、system自体もなくなるので、HDD交換後にはFWを焼く必要があります。 bootloaderはHDDとは別のところに保存されているようで、以下の手順でFWを焼くことになります。

  1. bootloader から 緊急用systemをネットブート
  2. 上記状態のNASに対して「LinkStationシリーズ ファームウェア アップデーター」からFWを書き込み

そこで必要になるものを準備します。

まずは公式ページから LS-WSX1.0TL/R1 用の「LinkStationシリーズ ファームウェア アップデーター」をダウンロードします。 自己解凍形式になっているので解凍します。 解凍した中にある initrd.img, uImage.img の実態はpass付きzipです。 initrd.imguImage.img は後で必要になるので残しておきながら、これら2つのzipを展開します。 パスワードはここには書きませんが、ググると簡単に見つかります。 展開したら、uImage-lsp*.buffalouImage.buffalo にリネームして、uImage.buffaloinitrd.buffalo の2つを TFTP で転送できる状況にしておきます。 そしてPCのIPアドレス192.168.11.1/24169.254.153.1/16 の2つ持たせておきます。(あとでやる作業中にIPを変えてもよいが面倒なので予め2つ持たせておきます。)

次に LSUpdater.ini を開いて、 NoFormatting フラグの値を 0 に変更しておきます。 これをしないとFWを焼く際に

HDDのパーティション情報が認識できませんでした。ファームウェアをアップデートすることができません。アップデートを中止します。

と表示されて先に進めなくなります。

分解してHDDを交換

まずは筐体を開けます。 アプローチとしては、細いマイナスドライバーを差し込んでてこの原理でツメの引っかかる箇所を浮かせて外していく感じです。 最初の取っ掛かりとしては電源スイッチの隙間と、上面の排熱孔の隙間から行くのがやりやすいと思います。

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開けると、後は筐体に収まっているだけなのですっぽりと取り出せます。 ヒートシンク兼HDD固定の金具はHDD側面のネジ穴に浅く引っかかっているだけなので簡単に外れます。 HDD本体も基盤のSATAコネクタに刺さっているだけなので簡単に外せます。

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分解できました。

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SSDに交換して、逆の手順で戻します。 今回、交換後のストレージは WD BLUE の 500GB SSD にしました。 最近はSSDも安く手に入るので、消費電力、耐衝撃性、静音性、アクセス速度を考えてSSDにしました。 WD なら RED がNAS向けということですが、そんなに高負荷にアクセスするわけではないので、まあBLUEで良いだろうとの判断です。

FWを焼く

HDDの交換が終わったら、TFTPサーバを立てたPCとLANで接続して、電源を入れます。

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電源を入れて少し待つと赤点滅するので、本体上のfunctionボタンを長押しします。 すると uImage.buffaloinitrd.buffalo が転送されて緊急システムが起動し始めます。 少し待てば緊急システムが起動完了します。(外目にはわからないが、装置からARPが飛んでくるようになる。) 「LinkStationシリーズ ファームウェア アップデーター」を起動すると、装置が認識されるのでFW更新を実行します。

以上でFW書き込みは完了で無事正常起動…と思ったのですが、FW転送はしたようですが、 E06 のエラーになりました。 とりあえず再起動してみましたが変わらず E06。 よくわからず、とりあえずもう一度functionボタン長押しで緊急システムで起動すると、Infoランプが橙点滅して I25(= FW更新中)になりました。 しばらくするとInfoランプは消え、電源ランプも青点灯になって、正常起動完了したようです。

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WebGUIも開いて動作確認できました。 これで無事にHDD交換作業は完了です。

SSDに変えての感想

  • アクセス速度が断然早くなって嬉しい。 もともとがRAID1 構成だったのを今回 RAID0 構成に変えたのでその影響もあるとは思いますが、それにしても 5400rpm のHDD から 最近のSSDへの更新は大きい。 もともとNASへのアクセス速度は重視していなかったのですが、最近は写真一枚あたり7MBほどあったりするので、サクサクプレビューできるようになったのは嬉しいですね。
  • 動作音が無音になりました。 そんなに大きな音がなっていたわけではありませんが、やはりHDDが2台動作していると、部屋が静かだと聞こえます。 気になっていたわけではないのですが、いざ無音に変わると静かになったなあと感じます。
  • (多分)消費電力も下がって嬉しい。 測定したわけじゃないので正確にはわかりませんが、一般的にHDDよりSSDの方が消費電力が少ないといいますし、恐らく消費電力は下がったことでしょう。 LS-WSX1.0TL/R1はもともと少電力が特徴なNASですが、それがさらに少電力化できたと思います。 NASは24時間つけっぱなしにするので、少しでも消費電力は少なくなるのは良いことですね。